『学園戦記ムリョウ』は、『飛べ!イサミ』『機動戦艦ナデシコ』や『ねこぢる草』等で知られるアニメーション監督の佐藤竜雄が、原作・シリーズ構成・監督を務めたTVアニメーションです。2001年5月8日から12月4日まで、NHK衛星第2で放映されました。

時は2070年、日本に侵略兵器と思われる謎の巨大物体が出現。それを追い払ったのは、これも謎の巨人でした。そんな事件があった直後に、天網(てんもう)市の御統(みすまる)中学に、統原無量(スバル・ムリョウ)が転校してきます。彼は、この時代には珍しい学生服を着た、不思議な雰囲気の男の子です。そして、彼と知り合った事から、ごく普通の男子中学生、村田始は宇宙規模の大きな事件に巻き込まれていくのでした。
ジャンルとしてはSFアニメになりますが、決して現実離れした内容のものではありません。ごく普通の学園や街を舞台に、ごく普通に人達が活躍する“普通”の物語です。いえ、学校の生徒会の人達が不思議な力をもって戦っていたり、街にアロハシャツを着た宇宙人がウロウロしたりしているのですから、ちょっと“普通”ではないかもしれません。『学園戦記ムリョウ』は“普通”感覚だけど、ちょっと“普通”じゃない、不思議な味わいのアニメーションなのです。全体のムードは、清々しくて爽やか。また、佐藤竜雄監督らしい和風のテイストも、本作の魅力です。

キャラクターデザインは今までに『新世紀GPX サイバーフォーミュラ』や『TRIGUN』等を手がけ、また、マンガ家・サムシング吉松としても知られる吉松孝博。アニメーション制作は『カードキャプターさくら』『METROPOLIS』等を作ってきた老舗のプロダクション、マッドハウスです。音楽を『ルパン三世』等で知られる大野雄二が担当しているのも話題のひとつ。彼が『ルパン三世』以外のアニメの音楽を手がけたのは、17年ぶりだったのだそうです。


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